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両親の喧嘩が絶えない を曲にしました

「人の人生で作曲をする」記念すべき第1弾をお届けします。

カウンセリングの練習でご協力いただいた方のご相談を、楽曲にしました。
(ご本人ご承諾済みです)

楽曲解説

高齢の両親の喧嘩が絶えない。そんな日々の話を聞きながら
ふと「両親は恋愛結婚だったんです」と口にされた瞬間
愛し合っていたふたりの記憶が、静かに立ち上がりました。
相談者さん自身が ふたりに望まれてこの世に生まれてきたこと。
その存在自体が ふたりの愛の証のように感じられた。

言葉にはならないけれど
父と母の若き日、
あの頃の淡く色づいた街の匂いが、胸の奥でよみがえるような。

今の毎日が面白おかしいかはわからない。

でも 沈黙の中に、たしかに灯る小さな光がある。
そのあたたかさを、独断と偏見と妄想で表現しました。

沈黙の灯り

父は 国の盾をしていた
冷たい人 じゃないけれど
背中に季節が ない

母は ときどき
お湯のように 言葉をこぼす
忘れることが増えても
笑みは 変わらない

ふたりは 恋をしていた
あの頃の服の色 煌めく街
きっとふたりは 覚えている

父に 聞いてみたい
「母さんのこと、今も好き?」って
素直すぎる子どもみたいだけど
子どもなんだから 聞いてみたい
言葉じゃなくていい
たとえば 夕飯の湯気に
答えがあれば それでいい